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2018/01/21 (Sun)                  [PR]
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2015/12/04 (Fri)                  炎は風に揺れて
この前読んだ本の一節だったっけ。

「君の悲しみは雨が洗い流してくれる。
君の心の穴は時が塞いでくれる。」

失恋した女の子を励ます使い魔の台詞。

別に恋に破れた訳じゃないけど、
こうして仕事に忙殺されて、
川で朔さんから聞いたお話の衝撃が薄れていくのを感じて、
その台詞も実感できるような、気がする。

拍手[2回]


そもその表現自体が間違ってるような気はするんだけど。

私は別に恋に破れた訳でも、愛する人を失った訳でもない。
本を書くには、詩を歌うには余りにもうすぼんやりとした感情だ。

見知った顔、といっても何度かサンクポートで顔を合わせた程度の、
体の大きな、優しい顔をした人が、消えた。

消えた?消えたって何?

初めてだった、仲良くしていた人が、目の前から消えたのは。

怒るにも悲しむにも微妙に離れすぎていて、
言い様のない虚無感みたいなものだけが、胸の中に渦巻いてる。

それが時折頭に移動して、私の思考を占拠する。

そうすると手先もおぼつかないし、お釣りの計算も間違えてお客さんから笑われてしまう。

見かねた店員に外の空気を吸ってこい、とお使いを言い渡される。

あれよあれよというまにお金を持たされ、商会の前に、ぽつん。

まさか戻る訳にも行かず、目的の店へと歩いていこう。



その間も、先ほどの”虚無感”が頭をぐるぐるしだす。

──薄情な娘だな、と自分で思う。

いくら数度顔を合わせただけとはいえ、顔見知りで、方向音痴仲間で、
友人と(少なくとも私はそう呼んでいいと思っていた)呼べるような相手が んだのだ。

……だめ、だ。この部分を考え出すとまたダメになる。

そもそも私は何も知らない。それが悪いのだと決めた。
だから薄ぼんやりとした記憶を辿って、アキトさんに手紙を出した。
その期日まで私にやれることはひとつもない。

ない、はずだ。

でも人間は不便なもので、考えなくてもいいと思っていても考えてしまう。
思考を止める枷はないから。

ぼんやり、もやもや。

突然吹いた青い風に、炎はただ揺らめくだけ。
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